5秒ルール 直感的に行動するためのシンプルな法則 (メル・ロビンズ)2019

・「統制の所在」といって、あなたが自分の人生や行動や将来をコントロールしていると強く信じると、それだけあなたの幸福度は増し、成功しやすくなるという概念です。自分の人生をコントロールしていると確実に実感できる方法があるが1つありますーとにかく行動することです。

 

・モチベーションを気にする必要はありません。いいえ、それは幻想だからです。多くの人は「行動へとかき立てるような熱意がモチベーションがなければ、人は変われない」と思い込んでいます。この考えがいつ広まったのかわかりませんが、信じないでください。いざ自己主張すべき瞬間が来ても、あなたはそんな気にならないでしょう。むしろ、何もしたくないと感じるかもしれません。人生を改善したければ腰を上げて、自分の尻を叩くことです。私はこれを「プッシュの力」と呼んでいます。

 

・5秒ルールを実践すると、あなたには自分の人生をコントロールする力があると確信できるようになります。何しろ自分の背中を押すたびに、その力が証明されるのですから。

 

…お気づきですか?人生を形づくるのは、大きな一歩ではなく、小さな一歩なのです

 

・小さな一歩を踏み出そうと思っても、ほんの5秒間立ち止まって考えるだけで、やっぱりやめよう決断してしまう。長い間に、その小さな決断は積み重なっていきます。そして重大な問題が生じます。ためらったり、心配したり、自信を失ったりを繰り返すうちに、その行動パターンが習慣化されて脳に刻まれるのです。

 

・5秒ルールをしばらく使い続けるうちに、あなたの奥深くにある核のようなものが変わり、自信と精神的な強さが増してくるでしょう。毎日のようにささいな言い訳で自分の足を引っばっていたこと、状況が変わるのをひたすら待って貴重な時間を浪費していたことに気づくでしょう。

 

・3秒や2秒に短縮してもいい

 

・人間の心はあらゆる手法ー認知バイアス(思い込み)、選択のパラドックス(選択肢が多すぎると選べない)、心理的な自己防衛機能、スポットライト効果(一種の自意識過剰)を駆使して、行動しようという士気を削ごうとする。人が変りたいとか、習慣を変えたいとか、困難なことや不安なことをやりたいと思ったとき、脳がそれを阻止しようとすると、多くの偉大な研究者は主張する

 

・基本的に、脳は物事を徹底的に吟味しようとします。そして、脳がこの吟味モードに入った瞬間、あなたは思考の罠にはまります。心が、「行動を断念しなさい」としつこく訴えてくるでしょう。変化することが難しいのは、このような神経学的な理由にもよるのです。

 

・第1章で説明したように、変わりたければ、不確かなこと、不安なこと、新しいことにチャレンジしなければなりません。ところが、脳はこうしてあなたの邪魔をします。脳は、不確かなこと、不安なこと、新しいことを恐れ、あらゆる手段であなたを制止しようとします。本能的な働きで、すぐにためらいの感情が生じるでしょう。だからこそ、ためらいが生じる前に行動しなければならないのです。

 

・「変わりたい」と思っても、あなたは毎回同じ方法で自分を制止しています。最初にためらいが生じ、あれこれと考えるうちに自分を心の牢獄に閉じ込めてしまうのです。

 

・習慣があなたの幸せを妨害するのであれば、最新の研究に従って次のような悪い習慣をやめようではありませんか。

 ただ待つこと、疑心暗鬼になること、尻込みすること、何も言わずに黙っていること、自信が持てないこと、避けること、心配すること、考えすぎること

 

・あなたが自分を押し止める理由が何であれ、その理由は間違っています。黙っていれば安全というわけではないからです。平穏な状態を維持してはいけません。チャレンジしないなんて、つまらないではありませんか。リスクはありません。やり方を改めましょう。あなたの頭のなかでひねり出した言い訳も口実も、間違いなのです。人生を改善するのに「適切な時期」などありません。行動に移した瞬間、あなたは自分の真の力に気づくでしょう。本当の自分をさらけ出すには、行動するしかありませんー頭の中で描いている空想を、行動によって現実化するのです。

 

・話しかけるタイミング、昇給を交渉するタイミング、言いにくいことを伝えるタイミング、何かを始めるタイミングー私たちは、タイミングを待つ間に多くの時間を無駄にします。

 

ウェイン・グレツキー(元アイスホッケー選手)曰く、「シュートを打たなければ100%はいらない」

 覚えておいてくださいーシュートを打って後悔することはありませんが、打たなければ必ず後悔する、ということを

 

・人生はもともと、過酷なもの。なのに不安の声に耳を傾けたり、自分を制止したり、自分のすばらしい一面を出しそびれたりすると、人生はもっと過酷になるだけです。

 

・人はなぜためらうのでしょうか?私たちは「拒絶されるのが怖いから」、「失敗するのが怖いから」、「恥をかきたくないから」などと言い訳します。

 

がっかりするのではないか、合格する実力がないのではないか、みじめな気持ちを味わうのではないかーそんな現実をつきつけられたい人はいません。だから私たちは疾病のように現実を避けるのです。私たちがチャレンジしたがらないのは、自尊心を守りたいからです。

 

・…彼らは、いざと言う時にあれこれ考えませんでした。心の準備ができるまで待たなかったのです。これこそが、私たちがすべきことです。誰にでも偉業を成し遂げる能力があると私は信じています。感情と恐怖心が、時期尚早だとあなたを説き伏せ、偉業を成し遂げるのを邪魔しているだけなのです。

 

・自分にこう問いかけてみてください。

 「あなたはなぜグズグズしているのか?」

 あなたは誰かに頼まれるか、ひっぱり出されるか、選ばれるか、表舞台に立たされるのを待っていませんか?勇気を出して自分の背中を押して行動する気はありますか?心の準備ができるまで、適切な時期が来るまで、自信がつくまで、その気になるまで、自分の価値を実感できるようになるまで、もっと経験を積むまでーそれまで待つつもりですか?

 次回も次のチャンスも巡ってこないこともあれば、チャレンジする時間がないこともあります。待つのをやめましょう。今やらなくて、いつやるのですか。待つことは、先延ばしすることではありません。多くの危険をはらんでいるのです。「タイミングが悪い」と無理やり自分を納得させることで、自分の夢をつぶしてしまうからです。

 

・あなたは「不合格や不採用にならずに済んだ」とか、「これで誰かを怒らせずに済む」などと自分を納得させようとしているかもしれません。ですが、口実をもうけて時期を待とうとすると、夢を実現する可能性が閉ざされてしまいます。

 

・私自身も、「適切な時期が来るまで」、「自信がつくまで」、「完璧に仕事ができるようになるまで」、「その気になるまで」などと言い訳して、人生の多くの時間を浪費しました。無駄にした時間の長さに、呆然としてしまうほどです。

 

・…でも、本当の失敗はそのあとに来ますー年老いたときに、結局一度も夢を追わなかったと気づくこと、30歳の時に「若い頃、友人の目など気にせずに、果敢にチャレンジすれば良かった」など

 

待たずにとりあえず行動できる人が勝つ

 

・(いいアイデアがあるのに)認められる日を待っていては、夢は実現しないまま終わるでしょう。テレビ局や出版社の偉い人があなたを見つけるのを待っていては、夢は実現しないでしょう。世の中はそのようにできていないからです。バーで運命の人がこちらに話しかけに来てくれるのを待つトムと同じです。

 世の中が報いるのは、待たずにとりあえず始める勇気を持つ人です。何かに着手して完成させ、勇気を出して自分自身とアイデアを世間に公開できる人が、勝つのです。

 

エド・シーランは15歳の時に許可を取らずに公園で歌を歌っていました。誰かに見出される保証はありませんでした。あなたも同じようにやればいいのです。勇気を出してコンフォートゾーンから飛び出し、始めるのです。他に方法はありません。「時期」を待たずに、とにかく始めるのです。

 

・待つことも、あれこれ考えることも、「やろうと思ったんだけど…」と言い訳することもだめです。何かを変えるには、実際に行動しなければならないからです。「やろうと思う」だけではだめなのです。

 夢をかなえる人と、かなえない人の違いはただ一つー最初の一歩を踏み出して努力し続ける勇気があるか否かです。

 

・潜在能力を発揮するには、日々勇気を出して自分を前進させることです。

 

・人生は一度チャレンジするだけで成功できるものではありません。望みを叶えたければ、努力しなければなりません。世界中でヒットした『アングリーバード』というゲームをご存知ですか?このゲームを開発した会社は、『アングリーバード』がヒットする前に、鳴かず飛ばずのゲームを51種類も販売したそうです。

 

・映画『アベンジャーズ』のハルク役のマーク・ラファロはご存知ですか?彼が最初の役を射止めるまでに受けたオーディションの数は600回近くだそうです。

 

・ダイソンの創業者ジェームズ・ダイソンは試作機を5127台作りました。

 

・画家のピカソは生涯で100作品もの傑作絵画を描きました。ですが、あまり知られてはいませんが、ピカソが描いた絵画は全部で50000作品以上にのぼるのです。

 まさかって?50000作品です。1日に2作品描いていたことになります。成功はギャンブルのようなもの。「時期を待とう」などと言い続ける限り、勝つ日は来ないでしょう。勇気を出して行動すれば、それだけ成功する確率が上がるのです。

 

・「5、4、3、2、1」で自分の背中を押せば、人生の不思議に気づき、世界に向かって心を開き、チャンスや可能性も広がるでしょう。意中の人を射止められないときや、期待した返事がもらえない時があっても、大したことではありません。最終的にあなたは「内なる力」という、すごい力を手に入れるからです。

 

・こうすれば問題を解決できる、こうすれば人生が上向きになるとわかっていながら、なかなか行動できなくて不思議に思ったことはありますか?答えは至って簡単。感情が邪魔しているのです。なかなか認識できませんが、人間は理論ではなく、感情をベースに日々の意思決定を下します。目標や夢よりも、感情で判断するのです。

 おまけに、感情が私たちを最善の道へと導くことは滅多にありません。

 

行動と感情を切り離す方法を学ばなければ、あなたの潜在能力は開花できないでしょう。

 

・とても重要なので何度でも言います。あなたが克服すべきなのは、ダイエットを続ける能力でも、事業計画を実行する能力でも、壊れた夫婦関係を修復して人生をやり直すことでも、売上目標を達成することでも、無能なマネージャーを説得することでもありません。あなたが克服すべきなのは、行動をためらう感情なのです。どんな感情を抱こうとも、あなたには状況を改善するためになんでもできる能力があるのです。

 感情をコントロールできません。しかし行動を選択することはできます。

 

・自信とは行動を通して築いていくものです

 

・「人間の心は愚かではありません。『ポジティブに考えよう』と自分に言い聞かせるだけではだめです。心を何度も小突き回す必要があります。」私が思うに、小突き回すだけでは不十分です。あなたの足を引っ張る感情に直接働きかけ、自分を制止する習慣がなくなるまでプレッシャーをかけ続けなければなりません。そして、あなたの足を引っ張る習慣が現れるたびに、その悪い習慣を勇気を出して行動する習慣へと変えていくのです

 

アリストテレス曰く「善行を積めば、善人になる」

 

・まずは行動を変えること。行動を変えれば、自分に対する思い込みも変わるからです。

 

・科学者によると、最初に化学変化を起こすのに必要なエネルギー(活性化エネルギー)は、その変化を維持するのに必要なエネルギーの平均量よりもずっと大きいそうです。

 

・あなたが一日を支配するか、一日があなたを支配するかのどちらかだ

 

・実のところ、健康になろうと思うだけでは健康にはなれません。心のエクササイズである瞑想ですら、実践する必要があるのですから。何もしないで達成することはできません。行動あるのみです。

 

・ダイエット、エクササイズプログラム、サーキットトレーニング、理学療法、クロストレーニング、瞑想プログラム、ヨガーどれもあなたの健康に良いでしょう。しかし問題が1つありますーやらなければならないということです。

 

・重要なのは勇気です。アリスは勇気を出して行動しました。自分が望んでいることを素直に受け入れるには勇気がいります。自分の意見を主張し、行動を始めるにも勇気がいります。大抵の場合、一番難しいのは最初の一歩です。つい楽な道に戻りそうになったら、進むべき道に戻ればいいのです。脱線なんて日常茶飯事です。

 

・四六時中携帯電話をいじったり、メッセージを打ったり、返信したりしていると、集中力が途切れます。でも、やめるなんて不可能だと思うのでは?

 まず、注意力を散漫にする物は悪だと認識してください。あなたの集中力を邪魔するものは、あなたの生産性をむしばみます。行動科学者の研究によると、電子メールも、時にすごいメッセージが届くことがあるため、依存しやすいようです。まずは、「私の目標は携帯電話の通知よりもずっと重要だ」と認識しなければなりません。実に簡単ではありませんか。

 

・「SNSなどのアプリを削除したら、私の生活にとって重要じゃなかったことがわかった。アプリがあったときは、無意識のうちにタップしてはチェックしてた。なくなった今は、チェックしなきゃと思わなくなった」

 

・あなたの気を散らすものは、テクノロジーSNSにとどまりません。次に紹介するのセーラは、人生における最大の妨害物は、部屋にため込んだがらくたの山だと気づき、行動することにしました。(手放し、処分しました)

 

・先延ばしには「有害な先延ばし」と、何かを創造する過程で重要なプロセスとされる「生産的な先延ばし」もある。後者は、クリエイティブな仕事や、アイデアをひねり出そうとする時に、数日間、数週間仕事から離れるとアイデアなどが思いつきやすくなる

 

・ピチョル博士は、先延ばしをする最大の原因は仕事を回避することではないことを突き止めました。ストレスを回避するためだったのです。先延ばしするのは「無意識がとりあえず快さを味わいたいと望む」からであり、少しでもストレスから開放されたいからだと言うのです

 

・先延ばしに悩む人々のほとんどは、こうした行動をコントロールできないと訴えます。その通りです。なぜなら、彼らは自分が先延ばしする本当の理由に気づいていないからです。

 私たちが先延ばしするのは、ストレスがたまるからです。

 

・…心がこうやって不安と恐怖に乗っ取られると、人生の脅威や感動を味わうどころではなくなります。『本当の勇気は「弱さ」を認めること』の著者はまさにこの現象について書いています。歓喜の瞬間に最悪のシナリオを描く現象は、誰にでも起きるそうです。歓喜に浸ることがこれほど難しいのはなぜでしょうか。「なぜなら人間は、傷つく前に予防線を張ろうとするからです」

 

あなたが探し求める宝は、あなたが怖くて足を踏み入れられない洞窟のなかにあるージョーゼフ・キャンベル

 

・内向的な性格の人がどうやって性格に反する行動を取るのかって?目的のために意図的に外向的に振る舞うのです。自分で自分の背中を押して。

 

・…そのために必要なのは意義あることをしたいという欲求と、意図的な行動(勇気を出して自分らしくない行動を取ること)です

 

・不安を覚えながらも行動すると、自信がつきます。勇気を出して行動すれば、自信もついてくるのです。緊張しながらも自分の意見を主張したり、怖いと思いながらも行動したり、気分が乗らなくてもジムに行ったりするうちに、「私なら何でもできる」と認識するようになります。

 

彼らの試みは失敗するか、期待した通りにいかないかもしれませんが、それでも彼らはやるでしょう。心が「嫌だ」と悲鳴を上げようとも、彼らは自分の背中を押して前進します。怖くても行動するでしょう。

 なぜかって?彼らは偉大になるための秘訣を知っているからです。彼らはまた、行動しなかった場合の悲惨な結末も知っていますー何者かになれたかもしれないチャンスを逃すことです。漫然と生きて、人生で巡り会うはずだった奇跡、チャンス、喜びに気づかずに通り過ぎてしまうことです。一番恐ろしいリスクはなんだと思いますか?自分のために人生を切り開くことなく死ぬことです